気温を上げずに、まちの価値を上げる街路樹政策を狛江の未来のまちづくりに〜仙台市といわき市視察から
⚫️酷暑をやわらげる樹木の効用
7月に入り、いよいよ酷暑を予感させる夏が始まります。
外出していると少しでも木陰を探して歩く季節ですよね。
ところで、この木陰。
熱中症を防ぐのはもちろん、樹木の効用として気温を下げる効果が世界の都市では注目されており、
積極的に街路樹を増やすまちづくりが進められています。
世界では街路樹の効用を示す数値として、樹木がつくる陰の面積の比率「樹冠被覆率」が用いられており、多くの都市が樹冠被覆率を上げる目標を掲げてまちづくりを行なっています。
例えば、ニューヨークでは2035年に、現状22%の樹冠被覆率を30%程度に引き上げ、人の命と健康を守り、幸福度(well-being)も高める都市づくりを推進しています。

⚫️日本の都市部の樹木は減り続け、夏の暑さが深刻化する一方
一方、日本。
東京23区部では被覆率は7%程度(22年調査値)。
都市部ではヒートアイランド現象もあり、真夏の路面温度は50℃になる時も。路面の温度は空気中に放出され、夜間になっても気温は下がらず熱帯夜が続くことになってしまいます。
そもそも、日本では国の指針として「樹冠被覆率」という定義すらない。
熱中症により健康被害も深刻な気候状況で、何より取り組まなければならない政策は、
街路樹政策ではないでしょうか。
気温を上げずに樹木の比率を上げる、未来のまちづくりに街路樹政策は“常備策”でしょう!
⚫️ 2026年度中の委員会で、街路樹政策を狛江市行政に提案予定です!
〜仙台市といわき市を委員会で視察

狛江市議会の建設環境常任委員会では、現在、この街路樹政策を所管調査とし、2027年3月までに本市に政策提案する予定で鋭意活動中。
4月末には、杜の都・仙台市と、福島県のいわき市を視察しました。
<街路樹でシビックプライドを高める仙台市>
人口減少が確実な未来に、どこの自治体も街路樹の管理費用は課題となっています。
また、倒木、樹木の不健全化への対応などチェック体制は欠かせません。
管理体制と財源が限られる中で、仙台市は街路樹マネジメント方針を定めながら、
美しい街路樹の整備を行い、心地よい木陰をまちなかに創出しています。
例えば、この2点の写真。
一本の道路で、左が仙台市道エリア、右は国道エリア。


街路樹の景観からわかるように、右(国道)は頻繁に剪定を行いながらも樹木の並びがまばら。
左(仙台市道)は、「街路樹マニュアル」も定め、1年に1度の剪定費用ながら、樹形が美しく揃っています。
方針に基づく街路樹マニュアル、そして樹木剪定の技術を造園専門職員から剪定事業者にも共有し継承する技能講習会も実施する、丁寧な街路樹政策を持っているのが仙台市なのです。
狛江市の場合は幅広の市道はないのですが、今はない街路樹政策をこれからのまちづくりのテーマにすることは、
未来のために必要だと考えられます。
<街路樹管理をDX化するいわき市>
一方、街路樹管理コストを削減するために、樹木を減らす方針を選択したいわき市の場合は、
住民の移動は主に車という地域性が政策に強く反映している印象です。
車の往来にとって道路にはみでる枝葉は危険。
このための剪定コストを削減するために、樹木数を減らすという計画を選択しています。
そして個々の樹木情報はデジタルに落とし込み、情報を共有化。これにより樹木の管理を計画的に進めています。
多くの自治体が、まだ対処療法的に樹木管理を行っているのに対して、いわき市はデジタルを活用し計画的に管理する方針を作成し、コストを削減しています。
とはいえ、樹木の強剪定はかえって剪定の頻度が必要になる「胴吹き」という現象も。上に伸びれなくなった枝葉が胴部から生える現象です(写真)。強剪定によりむしろ剪定コストが増すという悪循環も生じるようです。

⚫️歩きたくなる心地よい街並みづくりは狛江らしい魅力になる!
日本で2番目に小さい市域の狛江市は、平坦であることも強み。
近隣なら歩いて移動する方が健康にもベターです。
だから、歩いて心地よい街並みづくりが、狛江らしい方策と言えるでしょう。
そのためには、木陰が欠かせません。
木々や植栽による美しい景観づくりも必須でしょう。
超党派で取り組んでいる街路樹政策は、行政の盲点でもありました。
この街路樹政策の提案により、これから進める狛江駅南口開発と、新図書館周辺など、
歩きたくなるまち、街路樹が美しい景観づくりを進め、狛江の魅力をさらに高めていきたいですね!✨
「気温を上げずに、まちの価値を上げる!」

狛江駅前の緑地が心地よい空間づくりに貢献しています