離婚後共同親権導入の自治体行政対応について〜親権と子どもの利益
来年の4月から離婚後に共同親権制度が導入されます。
共同親権導入において、私は12月8日に一般質問として行政の認識と対応を確認しました。
まず、前提として、「親権」という言葉が本来の意図とは違うイメージを生じてしまうことに、この問題の賛否が分かれる原因があるように私には思えます。
本来、「親権」とは親が子に対して持っている権利というより、子を養育する責任と義務を意味しています。なので、言葉としては「子が育つ権利」が適していて、親としては「子が健やかに成長するよう養育する責務により子の財産等を管理する権限」が「親権」の本来の意味です。
離婚後共同親権についての議論の糸口は、ひとり親世帯(大半が母親)で別居親から子の養育費を受け取っている割合が3割弱(全国)という実態が背景にあります。7割のひとり親世帯が養育費を受け取っておらず、子どもの貧困につながっている。その解決を図ろうとするものだったはずです。

つまり、別居親が子のための養育費を支払う責任を自覚してもらうために“共同親権”にしたらどうか?が、議論の糸口だったのではないでしょうか。
それが、議論当初から主に別居親による「親権という権利がないことは親としての自分にも、子にも理不尽だ」という主張が展開され、共同親権導入の議論を後押しした印象があります。
確かに、離婚したくても単独親権だと親権を巡って何年も裁判を続けている父母はいます。別居親としては「親権」が子とつながる“絆”にも思えるのかもしれません。「共同親権」にすれば、こうした争いが減る効果はメリットとして考えられるでしょう。

一方で、単独親権で、養育費を支払っていない別居親だとしたら、「共同親権」という表現ではなく「養育費を支払う責任と義務」という言葉にしたら、この責任と義務が欲しいと争う必要性を感じる別居親は多いでしょうか?
先週、共同親権が導入されることにより想定される影響を表現した映画『5月の雨』が国会内集会にて上映され、私も観てきました。
精神的なDVで子どもを連れて家を出た母親と、別居父親との、共同親権導入後の関係性が描かれています。

「共同親権」にすることで、離婚時に「共同親権」でなければ離婚しないという条件提示は、さらに父母間の不和を長引かせるデメリットがあります。
一方で、対等に協議できる関係であれば、単独親権であっても、子どもの養育に関わり続けている別居親は少なくありません。
「共同親権」導入は、あくまで子の利益を守ることが主眼となります。
なので、子の不利益につながるようなおそれのある(DVや虐待)「共同親権」なら、単独親権を選ぶことができる、もしくは単独親権としなければなりません。(改正民法ガイドラインにも明記)
そして、子の不利益とはどのような状態か?を何より考えなければならないでしょう。
子の不利益とは、離婚後も父母間の争いが続くこと。私はそう思います。
逆に、父母間の理由により置かれた状況に生きる子にとっての最善とは、同居・別居は仕方ないとして、親権の有無は関係なく、子どもの育ちに穏やかに関わり続ける親や大人がいることに尽きるのではないでしょうか。
子の利益の本質を考えるとき、「共同親権」導入後の影響については、どうしても父母間の争いが継続する状況の懸念に目が向かざるを得ません。
映画『5月の雨』(https://maydayrain.com)は、2026年春 新宿K’sシネマにて劇場公開予定だそうです。自主上映も企画できます。
共同親権導入後の不安がある方はご連絡ください。
日常生活の判断や行政対応の詳細を含め、改正民法における適正な対応方法を考えましょう。